用語編 か - 笑辞苑

用語編 か

開口一番

寄席で最初に出演する落語家のことを指す。サラ口とも呼ばれる。開口一番がすべると後に続く芸人の受け具合にも影響が出るため、元気よく客の心を開かせることが必要とされる。

 

かえし

ネタや話を振られた時の答えの意。フリートークでのかえしには経験とセンスが必要となってくる。

 

顔芸

面白い顔で笑わせること。志村けん、ナインティナインの岡村隆史などが得意とする。安易な笑いとされる。

 

顔を入れる

ギャグや決め所でちゃんと顔をつくること。客に笑い所を教え、笑わせる。

 

かく

芸人用語で女と寝ること。関西の若手芸人がよく使う。寝るだけの女をカキタレという。

 

かける

「ネタをかける」のように使う。意味はネタを演じること。

 

影マイク

舞台に姿を現さずに袖などでマイクを使うこと。

 

ガチンコ

真剣勝負の意。元は格闘技界用語。格闘技ファンの多い芸人たちの間で自然と使われるようになった。コンクリという芸人もいる。ガチと略すことも多い。

 

カット

収録番組でいらない部分を編集で削除すること。お笑い番組ではおもしろくないネタ、話はカットの対象になる。ひどい芸人になると出演し、喋っていたが、本放送ではただいるだけになっている場合もある。スベッたときに「今のカット」とスベッたことを笑いに変えたり、生放送で「今のはカットで」とボケるなどギャグにも使う。

 

かぶせ

自分、あるいは他者が放ったギャグ、ボケ、ネタに重ねて、間髪いれずにギャグ、ボケ、ネタを放つこと。矢継ぎ早に繰り返すだけで、比較的容易に笑いがとれる。フリートークでも利用価値の高いテクニック。

 

かぶる

1)重なっていること。テレビや舞台などで芸人同士が重なってしまい、後ろの人が見えなくなること。または同時にしゃべってしまい、声が重なってしまうこと。2)ライブ、番組などでネタの題材、内容が同じになってしまうこと。ネタがかぶっただけで客が笑ってしまい、ネタに入りにくい。ネタがかぶったと気づいてから、急遽ネタを代えることも多い。

 

上方

上(かみ)は皇居のある所の意。都の方。京都およびその付近から京阪地方や広く近畿地方をいう。「~言葉」「~落語」

 

上方落語協会

1957年、林家染丸、笑福亭枝鶴、桂米朝、桂小文枝など18人で結成。初代会長は林家染丸。東京の団体とは違い、親睦団体で定席の小屋は持たない。1972年から島之内寄席という定席の寄席を各地で開いている。1994年、桂枝雀一門が脱退。

 

上手

かみて。逆は下手(しもて) 客席からと舞台上からでは右左が逆になるので、上手、下手という。客席から見て、左が下手。右が上手。

 

かむ

言葉が詰まったり、いい間違ったりすること。舌をかむから派生。

 

からむ

第三者と接触を持つこと、または共演すること。突っ走るキャラや不思議キャラなど自己完結型のキャラはからみにくいといわれる。

 

軽い

「客が軽い」と使う。何をやっても笑うような客に対して用いる形容詞。反義語は「重い」 芸人としてはやりやすいが、手応えもない。女子高生など芸人をアイドル視しているような客は基本的に軽い。軽い客に慣れてしまうと、客を笑わす努力が必要とされないため、なかなか実力がつかない。

 

カルテット

音楽では四重奏、四重唱の意味。お笑いでは四人組のことを指す。玉川カルテット、ドンキーカルテットなど。チャンバラトリオは四人組だからカルテットのはずだが、トリオ。

 

考えオチ

少し考えないとわからないギャグ。うまいことに近い。あまりに難しいと客がわからず、駄々すべりになる危険性がある。いってからワンテンポ遅れて、笑いが起こるぐらいが好ましい。また、ツッコミは客に気づく時間を与えてから、ある程度説明を入れてツッコむ必要がある。発想力と構成力が必要とされる高等技術。

 

関西演芸協会

戦後、関西落語界は笑福亭松鶴(五代目)と桂春團治(二代目)とが勢力争いを繰り広げ、トラブルが多発。それを憂えた料理旅館「暫」の主人、中田昌義が仲裁役を買って出て、この際関西演芸人の大同団結を図ろうと漫才界にも呼びかけて、1949年、会長旭堂南陵、副会長笑福亭松鶴、幹事芦乃家雁玉、林田十郎、桂春團治、花月亭九里丸、顧問中田昌義で結成した。

 

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